活動報告
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 2019年

   消防学校特別授業  7月23日  宮崎県消防学校  2頭7名
  九州での公開講座は初めてである。救助科を始め県内各署から40名が参加された。午後1時から5時までの4時間プログラム
@災害救助犬とNPO活動について
 欧米先進国も災害救助犬は民間の活用である。共助ということからも私たちの活動環境を踏まえ如何にうまく活用し人命救助に生かせるか、私たちの目的、日常の活動も理解してもらう必要がある。 ANHKEテレ「学ぼうBOSAI」ビデオ
 「命を守るチカラ・災害救助犬」の映像である。10分間で非常にわかりやすく編集されている。
B災害救助犬の特徴と訓練について
 言うまでもなく犬は臭覚が優れているが、それを作業として生かすためには服従性を挙げている。作業犬として優れた臭覚を必要な時、場所において生かせるようにならなければならない。 それは訓練において犬との関係性、服従訓練、環境馴致、経験などの積み重ねが求められる。犬の生かせるのは指導手にかかっていることを認識してすべての関りに向き合い取り組んでいることを強調した。 C災害救助犬のウイークポイント
 災害救助犬は常に正解を導き出せると期待されがちだが。災害現場においては訓練のようには行かない。特に臭覚を生かすには、風、温度、湿度、現場環境などに左右される。また、告知がイコール発見ではなく生活臭への反応、周囲の影響である場合、犬は誤告知だとは感じてない。見逃すことはあってはならないが、犬の特性、習性を理解してもらう必要がある。遺体判別に対する訓練も十分ではない。そうした点も踏まえ、時、場所、環境を選びタイムリーな活用で補完的な役割も担えると思う。。
D日本の災害救助犬組織の現状
  災害救助犬の説明は実際のデモで示すことにして、今度は扱う人間側の組織事情、課題について説明。 組織の数、特に対組織の連携行動について意識が薄く、整っていないこと、訓練していないこと、ただ犬がいることだけが災害救助犬組織であると錯覚してもらっては間違いである。組織が公表している災害救助犬の頭数、会員数、過去の災害への対応、行方不明者捜索への対応、救助隊との連携訓練などの継続的かつ計画的な対応、人命救助に関わるための装備、訓練などを総合的に分析した上で、厳しい現場で活用できる実数は非常に少ない。と推察している。救助犬だけの能力の問題ではない。乖離している現実を客観的に見て活用を考えていくべきが現場を指揮する救助隊の責務ともなれば、 日本におけるサーチ&レスキューに現場で救助犬が加わるレベルにはない。臭覚が優れていることにより偶然に期待するために訓練しているのではない、期待されるためには過去の教訓からスキルを磨き訓練していく姿勢が求められる、と考えている。しかし関わる人間側が機能させるチームとして未熟であること、現場で使うにはリスクが伴うことは隠すことはできない。 救助犬を現場で活用することを考えてもらうためには訓練を通してこの課題の克服に外部の協力も必要であることを提案した。
E先進国から学ぶ
 スイスの国際救助犬訓練ウイークに参加し、そこで学んだこと、感じたことなどを日本に当てはめ、いま日本でできること、やらなければならないこと。それは救助犬サイド、救助隊に限ったことではなく行政も企業も含まれる。国レベルの対応が求められるが今のままでは実現性は乏しい。海外を羨んでいるだけでなく日本版のサーチ&レスキューモデルを群馬県においては着実に前に進んでいることを評価してもらう機会として、スイスレドッグ来日では前橋、渋川消防指揮隊と実践的にサーチ&レスキューの群馬スタイルを示し提起した結果、レドッグとの協定に至り、日本の救助犬界が変革することになると思われる。
F救助隊との連携訓練の実情
 人命救助に常に向き合う救助隊から学ぶことは多い。如何に犬に頼り現場を甘く見ているかが教えられる。 そして消防などと訓練はしているがパフォーマンス志向であり実務的であるのか。救助隊で補えない点を救助犬でカバーしてチームとして機能させることを具現してもらわなければ訓練のための訓練で終わり、成果が集約されないことは避けたい。 連携訓練を通じて経験することも甘受してもらい、実務的な訓練、活用を提案した。
G災害出動からの教訓
 中越沖地震、岩手内陸地震、庄原土石流災害、東日本大震災、広島土砂災害、熊本地震、西日本豪雨災害などに出動し教訓として改善に取り組んでいるのが現況であるが、現場活動を考えれば消防とともに課題を克服していかなければ意味がない その中で、現場から、また救助隊から教えられるもの、一番は個人の力の非力さで協同して事に当たるという当たり前のことができていない現状から、特に連携に対しては真剣に考えざるを得ない。不謹慎であるが訓練では味わえない現場の緊張感の中で役目を果たす冷静さは経験でしか会得できないものである。それを生かす知恵を出し合っていかなければ災害地の見学かと揶揄される。正念場の救助犬の立場の認識を示した。
H災害救助犬の信頼への道
 災害救助犬の認知は向上していると感じているが、信頼を得るまでには至っていない。犬の能力の問題ではなく、連携した現場対応できないこと、組織的に動けないことは継続的な作業ができない。災害地のハイエナと揶揄されていることを肝に銘じるべきである 救助犬が加わったサーチ&レスキューで成果を目指すためには私たちが取り組まなければならないことは数多く、教訓を置き去りにしたままの現況では信頼は得られない。その一つ一つを列挙し、共に活動する救助隊に理解をしてもらう必要を強く感じている。取り敢えず犬を使ってもらうのではなく、人命救助に確実に役立つ作業ができるための救助犬チームを目指している方向、施策を示した。
IQ&A
 事前質問に基づき、その概要は犬の関連よりも、「要請」「現場活動」への質問に事例的に答えていった。これは災害救助犬を知ることより、その先の活用を考えていることを意図する。 犬が確実に作業ができるは当然の前提であり、この点も期待に応えるように訓練をしていかなければならないが、実践をイメージして行っているかが問われる。 この時間をかけて消防が懸念していること、期待していること、私たちの訓練の方向性として貴重な情報であり、それらを踏まえ連携に役立つように訓練に取り組んで行きたい。
Jデモンストレーション
 服従作業と捜索作業の実際を見てもらうのだが、犬自慢を見せるのではない。同じ救助隊のメンバーとして指揮隊からの指示が最先端の救助犬に正しく伝わり作業しているのか。安全な作業ができるのか。確実に答えを導き出せるのか。ハイテク機材よりも有効な場面があるのではないか。効率的な作業が行えるのではないか。逆に懸念される点は何か等々どのように見て感じられたのか。
以上のレクチャーを終えて、救助犬が正しく評価されて行くことを願うが、変わらず人命救助の目的で訓練に取り組んでいきたい。


   REDOG訓練研修会  7月15-16日 富士河口湖町  12頭15名


   認定R審査会  5月18日 東京都江東区夢の島  4頭11名


   REDOG救助犬育成トレーニング 5月2-4日 兵庫県三木市 24頭27名

■5月2日
 次世代の犬を育成していく。切れ目なく捜索に投入できる救助犬を準備しておかなければならない。1歳から5歳まで14頭、認定犬などで合計24頭が参加した。
 難しいことは行わず、基礎、初歩の段階を確実に踏んでいく。ストレスを与えず失敗をさせないように気を配りながら.進捗ステップ幅も低く楽しく成功を積み重ねていく。急がば回れ。

■5月3日
 実働を常に考え犬も人も取り組んでいく姿勢を見習うか、他人事のような感覚で向き合うか。私たちは犬の育成だけに限らず見習い、追いついていく姿勢である。多くの日本の救助犬関係者に実働へ向き合う姿勢、準備を考える機会を与えてくれている思う。実際に向き合えばよくわかる。災害が多いからこそ真剣に取り組まなければならない。まずはスポーツドッグと人命救助のための救助犬の区別をして同じ目的をもって取り組むこと、いろいろな指摘は願望だけではできない活動であると思い知らされる。

■5月4日
 REDOGが来日する目的は、日本の救助犬の発展のためでもあるが、それは広く浅くではなく、日本の災害における人命救助を見据えて特化した方策を考えているように見える。既に十数年を経過して成果が見えないので当然であろうが、そんな日本にサポートの打ち切るのではなく、実際に災害が起こる可能性が高いから見切りをつけることはしない。スイスとはそういう国であるのだろう。

   REDOG群馬県表敬訪問 4月26日 群馬県赤城山 6名(17名
 群馬県と出動協定を締結するDRDNにとって、うまく機能させるための群馬県モデルに取り組むにあたり、統括する群馬県危機管理室、共に活動する前橋、高崎、渋川消防などが同席する場で救助犬活用の理解を深めてもらうためREDOGとともに県庁を訪問した。
 世界でスタンダードな早期出動における救助犬の活用を実務的に進めてもらうためスイスレスキューチェーンの一員としてお手伝いしたい。ボランティア団体ではあるのだが人命救助に関わる以上プロフェッショナルでなければならい。そのためには行政による環境整備も希望する。昨年、群馬県消防と救助犬が連携した作業をしているのを実際に見て、私たちと同じサーチ&レスキューシステムを共有できる可能性を感じている。
 と話し群馬県に期待していることを伝えた。そして、これからの具体的な訓練を考え消防学校も視察し、エンジニア派遣も考えているようであった。県、消防、救助犬のユニットで発信できるサーチ&レスキューメッセージに期待してください。


   消防フェスタ 3月3日 東京都武蔵野市 7頭7名
 東京消防庁が市民に活動を披露する「消防フェスタ」へ救助犬として参加した。このようなイベントには市民が喜ぶパフォーマンスが必要であり専門的な難しいものより見て感じて楽しめるものが喜ばれるようである。その中で救助犬に興味を持ってもらい支援を広げていく機会になれば幸いである。一方災害を考えれば、共に行動する消防に実務的な活用への理解が浸透していかなければ単なるイベント要員として位置づけられていく。一般広報と専門実務の同時の伝達、浸透は難しい。やるからには手を抜かずインパクトを与えるようにしたい。
 

   雪山捜索救助連携訓練 2月7日 群馬県赤城山 6頭11名(80名)
 昨年に続いての雪山捜索救出連携訓練である。
 赤城山は前橋市、渋川市、沼田市、桐生市に接し連携しなければ対応できない。消防、警察に救助犬が加わり連携した捜索救助ができるように訓練を続けている。雪山となると装備、行動も経験を要するためハンドラーの訓練が不可欠になる。
 今回は地蔵岳で3名が行方不明との想定でブラインドで行われ、4つのコースから捜索隊が入りうち2チームに救助犬が帯同した。各救助犬チームと救助隊がブリーフィングを行い、どちらも救助犬が先頭を行き少し間隔を置いて救助隊がサポートし反応を示せばエリアを集中捜索を行うようにした。群馬県では救助犬の活用が視野に入れて訓練を重ねているが、救助犬が胎動する場合は通常の捜索による声かけは控え救助犬の反応に期待がされている。しかし、救助犬が100%であることはなく、それぞれの役割を果たし連携して補完しながら捜索救助に当たることは当然である。
 3名は発見されたが、低体温症手当など救出には時間がかかる。雪中での行動が不慣れなため滑ることも何度かあったが、指揮本部に戻ったときの豚汁が絶品である。隊員の鋭気を維持するうえで、こうした後方支援はなくてはならない。実働では徒労に終わることが多いが、すべては訓練のなかから学び成長していくしかない。それが成果に結びつく近道であろう。


   京都府警避難訓練 1月17日 京都市宝ヶ池公園 3頭3名 
 
   冬季訓練会(認定審査会)1月12-14日 群馬県消防学校・赤城山 
■認定R審査会


■認定審査会 


訓練会
 
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